赤だけが残った

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赤だけが残った

「ヒーローは絶対に勝たねばならない」 もと、セイセイ戦隊 ドードージャーのリーダーであったドードーレッドは そう思っていた。 「正々堂々と戦う。どんなに逆境であっても卑怯なことはしない。 それがヒーローだ!」 それが合言葉であった。それを言い出したのは他ならぬ自分であったし、実際そう思っていた。それでなにも問題はなかった。悪の組織ハングレンとの戦いは正々堂々と戦い、そして勝利。壊滅させた。 だが、新しい悪の組織キョーアックとの戦いになるとちがった。 ヒーローの実家を調べ上げ、家族を人質にとり、ヒーローの動きを封じこめ、 セイセイ戦隊 ドードージャーの4人 ドードーブルー ドードーグリーン ドードーイエロー ドードーピンク を殺すとその家族たちまでも助けることなくぶち殺した。 すんでのところでリーダー、ドードーレッドは生き延びることができたが全身に大けがをおって、もはやヒーローとしての肉弾戦など無理な体になってしまった。 レッドの家族も、殺され、4人の仲間もすべてうしなってしまった。 これによってヒーローがいなくなった世界に調子づいたキョーアックは、自衛隊基地に一斉に爆弾をしかけ、一瞬で壊滅。警察組織もおさえ、 悪の組織の最終目標 日本征服に成功してしまった。 「おれはまちがっていた。 正義は、ヒーローは負けてはいけない!どんな手を使ってでも勝たないとそこにあるのはただの悲劇しかないのだ。 俺は必ず4人の仲間と家族の敵(かたき)を討つ! 一人でもこの世界を救う! 俺は今日からイチレンジャーだ。 一人の戦隊ヒーロー。 おれのこころには4人の仲間が今もいる。 だから 一人の戦隊ヒーローだ。 動かない体をつかって絶体に勝つ。いや勝たなくてはいけない。 必勝戦隊 イチレンジャーそれが俺の新しい名だ!」 ドードーレッドは前の反省から住所を常に変え、いている場所をさとられないようにした。 基本ゲリラ戦である。 悪のアジトを必死に探した。 怪人との戦いは 肉弾戦はむりなので、武器をつかった。マシンガン、バズーカ 迫撃砲。 ひとりでもあつかえる強力なやつだ。 戦いはおもに奇襲。夜がおおかった。 こっそり背後から忍び寄り不意打ち。 落とし穴。暗殺。毒殺。ブービートラップ。 その正義のヒーローとはほど遠い戦いに非難をあびることもあったが 彼の 「ヒーローは絶対に勝たねばならない!」 という信念は変わることはなかった。
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