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ハロウィンのトカゲ達
今日は年に一度のハロウィンの日。
渋谷は仮装した人達で大混雑だった。
ハロウィンというものは本来秋の収穫を祝い、悪霊を追い出す儀式として始まったものだが、
最近では「生ぬるい仮装」とあるドラマで言われていたような仮装しか見られなくなっていた。
しかし今回、混雑している人たちが数メートル下がるほど、
怖い集団がいた。
トカゲの集団である。
彼らは口から血みたいなものを流しながら渋谷のハロウィンを歩いていた。
それを見て他の人達は思わず数歩引くのだった。
「今日は羽目を外してしまいそうですね~」
ビールを飲みながら、
トカゲ1がそういった。
「変なトラブル起こすなよ」
トカゲ2が言った。
「ねえ、あれ・・・」
トカゲ3が数メートル先を指さす。
「きゃあ!」
「何だよ~そんな可愛い格好して~」
初音ミクの衣装の女性にピエロの男性が迫っている。
「や・・・やめてください」
「いいじゃん、お菓子持ってないんだろ、じゃあいたずらしても」
ピエロが初音ミクの体をまさぐろうとしたその時、
「やめろよ!」二人が顔を上げると、そこにはトカゲの集団が。
「うわああ!!」
男は悲鳴を上げて逃げていった。
女も悲鳴を上げて逃げて行った。
「何だよ~女性も逃げちゃったよ」
トカゲ4はミミズを口に入れながら言った。
「お前がそんなもの食べているからだろ、森の食べ物を持ってきて」
トカゲ5が言った。
「だってこれ美味いんだもん」
トカゲ4は言った。
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