あなたは、彼の彼女が好き

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事故みたい。 突然、恋がぶつかってきた。 「大丈夫?」 って、前髪の隙間から、あなたの瞳が見えたとき。 心を怪我してしまったよ。 だから、 気づきたくなかったよ。 あなたの瞳が 彼じゃなくて その隣のあの娘に向いてるってこと。 教科書借りたり、同じ曲を聴いたり。 その時の、あなたの表情(かお)。 その、甘やかな瞳。 見たくなくて、見てしまって。 友達思いのあなただから。 きっと。 苦しいよね。 わたしも、同じだから。 あなたは、あなたでいて欲しい。 それだけで、いいんだ。 だから、いいよ。 あの娘につく噓、付き合うよ。 お前なんかと付き合うなんて、 アイツはやっぱりすごいヤツだって。 オレは無理! 笑って。 冗談ぽく、あの娘を傷つける噓。 わたしと付き合ってるって、噓。 ひどい、噓。 あの娘も、だって、ほんとは。 わたしだって、ほんとに。 噓でも嬉しかったんだ。 道化でも、嬉しかったんだよ。 わたしは、わたしの恋心を 手放さなきゃいけない。 できるのかな・・・。 こんな、嫌な自分を、手放せることが。 できるのかな。
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