宝箱

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 湿気があって、どことなく翼が重たい。  翼といえば、衛藤弟の翼君は今日も公園でカー子を探してたりするのだろうか。  流れで思い出したから、こけしなし公園に向かってみる。  いた。  思わず「カア」と鳴いたら、昨日と同じく両手を上げて手を振ってくれる。  昨日と違うのは兄がいないこととブランコに乗っていること。  弟君だけだろうと綾乃は構わなかった。  約束もしていないのに待っていてくれたことが嬉しくて、大胆にも翼君のジーパンの太ももめがけて下りていった。
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