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「案のあるやつ、いるか」
しっかり者の班長が仕切っても、その班長を含めた男子三人、女子三人は机を向かい合わせにして唸るばかりだ。
「何でもいいなら、一学期の行事一覧は?」
停滞した空気を破ったのは、明るく大きい声に性格が現れている岡野昌介だ。
「そんなの、面白いか」
「俺さ、作文の宿題でみんな遠足のこと書くから、違うのにしたくて学校の行事表を引っ張り出したんだよ。それ見てたら、色々あったなって思い出せたからさ」
「なるほど。それぞれにコメントとかつけたら、それなりに格好つくかもな」
「だろ」
他のメンバーも、スペースが埋められそうな提案なので賛成に回った。
「じゃあ、これでいくか」
メインが決まると、誰かのちぎったノートに記事の配置をしていく。
「四コマは昌介が担当だろ。編集後記は班長の俺が書くとして、バランス的に、もう一つくらいコーナーがほしいよな」
頬杖をついた班長が、空白のスペースをコツコツとシャープペンでつついて意見を求める。
「だったら、詩は?」
そろそろ解放されたかった綾乃は、珍しく思いついたことを提案してみた。
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