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「何だ、黙っているのって、そういうこと?」 囲んでいるクラスメイト達が、クスクス笑う。 「おまけに、今日、持ってきた猫じゃらしみたいな花なーに?」 「俺にくれるの?」 幼馴染の花鈴(かりん)にあげる誕生日プレゼントを、こっそり自分の荷物に忍ばせてきたのを、大河は、目ざとく見つけていた。 瞬は、誕生日プレゼントのことを言われて、内心カッとなった。 「あげない。」すこし間を置いてから、瞬は、小声で剣呑に言う。 (猫じゃらしなんて言葉、よく知っているな?) 黙りながら、瞬は、いつものことなので、心の中で、大河の言ったことを捉えてみる。 大河にからかわれて、自分でも判るくらいに、頭に血が、上っている。 おそらく顔は、真っ赤になっているはずだ。 「ますます真っ赤。恥ずかしがらないで、それ、俺のだろ。せっかくだから、俺にここでプロポーズしてよ。皆の前で、映画みたいさ。」 「プロポーズ、プロポーズ。」 まわりの皆が、大きな声ではやし立てる。 瞬は、まわりのはやし立てる声を聞きながら、顔を真っ赤にし、拳をにぎりしめ、うつむいている。 他のクラスメイトは、自分が巻き込まれたくないのか、見て見ぬふりで、誰も止めようとしない。
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