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瞬と花鈴と大河は、小さい時から住んでいる団地も一緒。
通っている学校も保育園から中学までずっと一緒。
おまけに、中学になったら何故か三年間、クラスもずっと一緒。
でも、来年の春からは、三人バラバラになる。
瞬は、小説を読んでいる花鈴には、悪いけど思い切って、話を切り出した。
「今日、誕生日だよね。」
瞬は、花鈴に向かって話し始めた。
(あー、きっともう顔が真っ赤になっている。)
瞬は、花鈴と離れているにもかかわらず、いつものこととはいえ、顔が赤くなるのを感じた。
「誕生日プレゼント、持ってきた。」
「プレゼント?」
花鈴は、すっとんきょうな声を上げる。
「だって、あれ。さっき大河に獲られたじゃない。」
「ごめん、同じものだけど、持ってきている。」
中学に入って大河は、花鈴の誕生日になると、瞬の持ち物に目を光らせ、せっかく花鈴に持ってきたプレゼントを取り上げていた。
瞬は、今日も絶対、大河に取り上げられると思い、こっそり予備を持ってきていた。
瞬は、花鈴の席の側に寄った。
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