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「お前、俺のこと好きなの?」 「いつも俺を見ると顔が、真っ赤だよ。」 突然、大河(たいが)にそう言われて、瞬(しゅん)の顔は、すぐ赤くなった。 文句を言おうとしたが、従来の気弱さがたたって、何も言えない。 休み時間、瞬は、音楽の授業のため、教室を移動しようと、席を立ったところ、クラスのリーダー格の大河に呼び止められ、教室の隅に追いやられた。 おまけに、クラスメイトの数人の男子に囲まれていて、逃げるに逃げられない。 瞬は、小さい時から、大河が苦手だ。 担任の先生が、クラスメイトに、瞬が赤面症だから、からかわないようにと、注意されていても、面白がってからかってくる。 大河は、意地悪く笑いながら、 「そういえば、お前、誰に対しても、赤くなるよな。男でも女でも誰でもいいの?」 (違う。) 瞬は、声を出して、否定したいが、少しでも反撃すると大河のからかいが、ひどくなるので、反撃しない。
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