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プロローグ
まだ明るい時間帯のスクランブル交差点。
街頭テレビのスクリーンに、ワイドショーのライブ映像が映し出される。
好感度ランキングは常に上位。
良き夫・良き父親役が定番の国民的俳優の不倫が報道され、リポーターたちから糾弾されていた。
「奥様には、何とお詫びしたのですか? 」
「お子様たちには、どのように説明されたのでしょうか?」
あろうことか、不倫相手の下着を被ったまま、ピースサインを向ける画像まで出回っていた。
「もう、これまでのような役は演じられないでしょうね」
「家族思いのイメージだったのに、幻滅です!」
コメンテーターたちも、こぞって彼を吊し上げる。
「申し訳ございませんでした!!」
まるでドラマのような土下座を繰り出す国民的俳優に、世間の声は冷たい。
「コントみたい、ウケる!」
「パフォーマンス? 本当に反省しているのか、謎」
その謝罪は、誰のために?
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