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新しいクラスの席順は廊下側の一番前が出席番号1番だった。私はラストから二番目。窓側で後から二つ目の席、前には矢野くん。
目の前の、矢野くんのスポーツマンらしい鍛えられた背中に、ただただドキドキするばかりだった。
始業式から数日、みんな少しずつ新しいクラスにも慣れて来た頃から、矢野くんが後を振り返る事が多くなった。
「吉池、ゴメン、消しゴム貸して。」
とか、
「今やってるとこ何ページ?」
とか、いつもちょっとした事で。
矢野くんが回すプリントを受け取るだけでも緊張するのに、こんなに頻繁に振り返られたら、私の心臓は大丈夫かなって心配になる位。
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