初恋未満

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 これが失恋なのかな。胸の中の風船は、はじける前にしぼんでしまった。  ショックだったけれど、悲しくは無かった。どこか「やっぱりね」と、すとーんと納得している自分もいて。悲しいよりも、むしろ恥ずかしい。間にいた私はとんだ邪魔者だったのだ。いったいあの時、私はどんな表情をしていたのかな?  ハズカシイ、ハズカシイ...  でも、矢野くんもひどくない?あれは勘違いするよね?しちゃうよね?  キライ、キライ、スキジャナイ。  矢野くんの事は好きじゃない。...好きじゃ...ないんだよ。ダメだよ人を勘違いさせるような行動は。嫌い、嫌い、大嫌い。気付かなかった自分も嫌いだ。嫌い嫌い、大嫌い。  これは失恋じゃない。初恋にも満たない私の恋の話。 〈end〉
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