好子の部屋

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 「…高見さん…」  「…ハイ…」  「…どう?…」  「…どうって?…」  「…この缶が、これまで、生きてきて、高見さんに言い寄ってきた男たちだとは思わない?…」  好子がいたずらっぽく笑いながら、繰り返す…  私は一瞬躊躇したが、  「…だったら、好子さんは、この倍は…」  私が言いかけると、  「…倍じゃたりないわ…いいえ、このテーブルが十個あっても足りない…ないしろ、お金持ちのお嬢様ですから…」  自分で言って、笑った。  「…お金持ちって、楽しいわよ…高見さん…高見さんのように、美人じゃなくても、男が嫌というほど、言い寄ってくる…」
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