第2章 昇(のぼる)との再会

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女店員 「有り難うございました。 またのお越しをお待ちしております。」 《ふん! 二度と来るか! 泥棒猫め!》 可南子は、すこぶる不機嫌になった。 高峰 「師長が取る行動って読めないわ……。 一日くらい後を付けても何も分からないかもね。 もう帰ろうか?」 大竹 「そうね…。 探偵まがいの事をしても私達じゃあ… 何も掴(つか)めないわね、きっと。 探偵って…ホント大変だと思うわ。 ある時は蚊に喰われて張り込みだとかさ。 あ~、痒いわ、刺されたみたい。」 可南子はムシャクシャすると… あのスナックへ行く…。 「友野さん…いつもの…。」 友野 「はい…とうぞ、ゆっくりしていってください。」 何かを感じてか……友野は可南子を放置してくれる。 そこへ……インターンの吉川 昇君の登場だ…。 「荒神師長さん…お世話様です。有り難うございます。」 可南子 「ああ…ここは仕事場じゃないから硬い挨拶は無しにして…。」 「分かりました。可南子さん…。」 可南子は昇から『可南子さん』と呼ばれたのが 少し気恥ずかしかった…。 以前なら『よしてよ…。 こんなオバサン掴まえて -可南子さん だなんて…。』と言う処だが、 少し前から『少し言葉を慎もう』と決心していた。 「吉川さんはお酒は何を召し上がるの…?」 吉川 昇 「はい、ウイスキーをロックで…。」 「じゃあ…今日は私の奢りよ…。」 「有り難うございます、貧乏学生なので助かります。」 昇はそう言って少し笑顔を見せた。 「グラスを傾ける姿が決まってるわ。 貴方……俳優とかモデルとかに転向してもイケるんじゃない…。」 「可南子さんと話してると…何か癒されるんですよね~☆」 《あら…貴方…もう酔ったんじゃないの?》 と思わず言いそうに成ったが可南子は堪えた。 「あら…私も貴方のようなタイプ…嫌いじゃないわ。」 「僕って女性に甘えたいほうなんで… 可南子さんと親しくしていただけると嬉しいです。」 《アンタ、そんな事言ってると、このオババに持ち帰りされちゃうわよ》 と可南子は思わず口にしそうになった。 可南子 「ねえ、週末ドライブでも付き合わない? ちょっと気晴らししたいんだ。」 「良いですよ…可南子さんとドライブなんて夢みたいです。」 こういう会話を昇としていると、可南子は歳を忘れる事が出来た。
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