第2章 昇(のぼる)との再会

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週末になり…可南子は昇をドライブに誘った。 「今日は付き合ってくれて有り難う。 お礼に美味しい物をご馳走させて貰うわ。」 昇 「こちらこそ、有り難うございます。 可南子さんって横顔も素敵ですね。 モテるでしょう…。 彼氏が羨ましいですよ…。」 可南子は昇のお世辞かと思わせる言葉に まんざらでも無かったが… それには直ぐには応えず…… いつもは穿かないミニスカートの裾が気になっていた。 途中で立ち寄ったドライブ・インでは 会話の流れでフザけて昇の腕を取って歩いたりもした。 「可南子さん…ホントに綺麗ですよ。 俺、可南子さんの彼氏に成りたいですよ。」 夕陽が沈むのが見えるサンセットビーチに 二人腰を下ろすと… 可南子から昇に寄りかかって頭をもたげた。 「可南子さん…本気にしますよ。 俺、今…可南子さんの事で頭がいっぱい なんですから…。」 可南子は…それにも応えず、昇に より密着していった。 「可南子さん…好きだ。 誰にも渡したくない! こんなに女性を好きに成った事ないんだ。 俺…もう可南子さん無しでは生きていけない。」 涙ぐむ昇を見て、貰い泣きをする可南子だったが… 可南子は少し憂いを含んだ顔になっていた。 車に乗ると…昇は可南子にキスをしてきた。 しばらく可南子も昇のキスを受け入れたが、 不意に前を向いて… 「今日は帰りましょう…。」 と言って車をスタートさせた。 昇を家の近くまで送ると… 昇はもう一度可南子にキスをした。 「おやすみ…。」 可南子は車を またスタートさせた。 誰かが… 《若い男の子は怖い…。》 と言っていた。 《一途になる……周りが見えなくなる… 思いを通そうと常識を離れた行動をする事がある》……と。 《でも…こんな年増女に対して……無いでしょう。》 そう可南子は鷹を括(くく)っていた。
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