第1章 トキメキ

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貴史 「しょうが無いなあ……ほら、おんぶしてやるから……☆」 可南子 「ヤッター! おんぶ…おんぶ☆」 貴史 「カナちゃん、住んでる部屋は3年前と替わってないんだろ?」 可南子 「うん…… 二人の愛の巣は…… あの日のままなのよ…。可南子悲しいの…。オーイオイ……。」 貴史 「カナちゃん、ゴメンね……。 俺の海外への転勤が決まったばっかりに……。」 「可南子は付いて行きたかったの……。 でも仕事がね。 だって私から仕事を取ったら何にも残らないじゃない……。」 貴史 「そんな事ないさ…。  カナちゃんは、カナちゃんさ…。 看護師だって、看護師じゃ無くったって… どちらでも良いのに。」 可南子 「え~☆本当に?  私から看護師を取ったら… ただの口うるさい オバサンだよ。」 丁度タクシーが可南子のアパートに着いた。 可南子 「お茶でも飲んでく?」 貴史 「ああ……積もる話も有るしね。」 貴史と可南子は二人が別れてから、どうしていたかをお互い話していた。 可南子は少し呑みすぎたらしく、ベッドにゴロンと寝てしまった。 「鍵を掛けないで帰るのも無用心だしな…。 まあ同棲してた事もあるんだし… 俺もここに泊まろうかな……。」 夜中に可南子はトイレに起きた。 ソファーに貴史が横になっているのが分かった。 「急に海外へ行くって言ったり…… 急に日本に帰ってきたり…… カナちゃんの心はグシャグシャだぞ…! 起きて責任取りなさいよ。」 それが聞こえたのか… 貴史は可南子を見て、両手を開いて見せた。 可南子は涙腺が崩壊…。 泣きじゃくりながら貴史の胸に甘えた。 「私…貴方をずっと待ってたの…。」 可南子は貴史に顔を近づけた。 「待っててくれて…有り難う…。」 貴史は可南子にキスをした。
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