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貴史
「しょうが無いなあ……ほら、おんぶしてやるから……☆」
可南子
「ヤッター! おんぶ…おんぶ☆」
貴史
「カナちゃん、住んでる部屋は3年前と替わってないんだろ?」
可南子
「うん…… 二人の愛の巣は…… あの日のままなのよ…。可南子悲しいの…。オーイオイ……。」
貴史
「カナちゃん、ゴメンね……。
俺の海外への転勤が決まったばっかりに……。」
「可南子は付いて行きたかったの……。
でも仕事がね。 だって私から仕事を取ったら何にも残らないじゃない……。」
貴史
「そんな事ないさ…。
カナちゃんは、カナちゃんさ…。
看護師だって、看護師じゃ無くったって…
どちらでも良いのに。」
可南子
「え~☆本当に?
私から看護師を取ったら…
ただの口うるさい オバサンだよ。」
丁度タクシーが可南子のアパートに着いた。
可南子
「お茶でも飲んでく?」
貴史
「ああ……積もる話も有るしね。」
貴史と可南子は二人が別れてから、どうしていたかをお互い話していた。
可南子は少し呑みすぎたらしく、ベッドにゴロンと寝てしまった。
「鍵を掛けないで帰るのも無用心だしな…。
まあ同棲してた事もあるんだし…
俺もここに泊まろうかな……。」
夜中に可南子はトイレに起きた。
ソファーに貴史が横になっているのが分かった。
「急に海外へ行くって言ったり……
急に日本に帰ってきたり……
カナちゃんの心はグシャグシャだぞ…!
起きて責任取りなさいよ。」
それが聞こえたのか…
貴史は可南子を見て、両手を開いて見せた。
可南子は涙腺が崩壊…。
泣きじゃくりながら貴史の胸に甘えた。
「私…貴方をずっと待ってたの…。」
可南子は貴史に顔を近づけた。
「待っててくれて…有り難う…。」
貴史は可南子にキスをした。
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