第1章 トキメキ

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朝 起きると可南子はベッドに ちゃんと寝かされていた…。 貴史は朝食の準備をしていた。 「カナちゃん、おはよう…。 早く目が覚めちゃってね。 お腹空いたから勝手に食パン戴いたよ…。」 可南子は貴史の背中に頭をくっ付け 「卵も焼いてくれたんだ…美味しそう。」 と言った。 ふと、可南子は自分が寝る時に着る大きめのTシャツに着替えているのに気がつき… 「ええっと…昨日の夜は貴史がソファーに寝てたでしょ… それでキスをした処までは覚えてるんだけど…。」 貴史 「そうなんだ…。 その後に先にシャワー浴びるってお風呂場に行ったんだけど… 案の定…お風呂場に座り込んでたから… 適当な服を着せてベッドまで運んだんだよ。」 可南子 「アチャー…! 何という失態…。 当分、貴史には頭が上がらないわ…。 きっと私の全てを見られたのね。」 貴史 「いや、シャワーの流水で溺れそうになってたから…… 人命救助…っていう状況だったんだけどね…。」 可南子 「あらら…じゃあ命の恩人って訳ね…。 荒神 可南子…40過ぎて元恋人に介抱され… ってとこね。 前園 貴史 様…有り難うございます。 こんなオババを介抱して貰って ゲホゲホ……(オドける)。」 可南子は不意に貴史にお姫様抱っこされた。 「あ…ん☆」 貴史 「カナが十分魅力的だって証明してやるんだから……☆」 可南子は不意に真面目な顔になり… 「冷やかしなら…よして頂戴…。 この歳になると…後からくる自分への嫌悪感の ほうが辛いのよ…。」
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