猫まみれになったわけ

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   カフェをオープンして二週間。  のどかは悩んでいた。  いや、カフェはそれなり順調なのだが。  別の悩みがあった。  まだやっていない結婚式のことだ。  貴弘は、 「結婚式の主役は花嫁だからな。  お前の好きに決めたらいい。  お前がいいなら、俺はなんでもいい。  というか、お前が側に居てくれたら、式なんてやらなくても別にいい」 と言ってくれたのだが。  これを言ったのが、閉店後、カフェで夕食を食べているときだったので、貴弘は、またみんなに、ケッと言われていた。  中原が、 「胡桃沢。  情熱的に迫ってくる男は、きっと情熱的に浮気するぞ」 と言ってくる。  即行、貴弘に、 「……中原。  余計なことを吹き込むのなら、帰れ」 と言われていたが。  いや、社長は浮気できるほど器用な人ではない気がするんですけどね……と思いながら、のどかは猫まみれになっていた。  開店前の窓際の席に座っていたのだが。  右から左から頭の上から猫がやってくるのだ。
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