1164人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
「……男って、どうして、好きなんですか? 焚き火」
「原始に帰る感じがするからじゃないのか?」
「帰りたいですか? 原始時代」
あまりマンモスを追いかけたくはないのだが。
そこは男と女の違いかな、と思いながら、貴弘と一緒に焚き火台を眺めていた。
今も寮の方の庭先から、揉める声が聞こえている。
「なんで起こすんですかっ。
僕、明日、早いんですよっ。
休みじゃないんですっ。
北村さんの出張ついてくからーっ」
と青田が叫び、
「知るか。
俺の会社の仕事じゃねえしっ。
お前、火をおこすの上手いだろうがっ」
と綾太が叫び返している。
「八神さんにでも、つけてもらってくださいっ」
「イメージで言うなっ。
あの野生男、意外にアウトドア向いてないぞっ。
グッズが好きなだけだっ」
最初のコメントを投稿しよう!