1164人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
「社長、松ぼっくりです」
と中原の声が大きなホールトマトの空き缶に大量に入っている松ぼっくりを持ってきた。
「おお、でかした、中原」
松ぼっくりは油分が多いので、よく燃える。
入れすぎると危険だが、着火剤代わりにいいのだ。
そこへ缶ビールを手にした八神が泰親とともに現れた。
「そうだ、これ、裏に花瓶と一緒に捨ててあったんだが。
紫陽花がドライフラワーになったの」
「ま、待て、紫陽花っ」
と綾太が言うより早く、八神が焚き火台に投入したようだ。
ボッと松ぼっくりより勢いよく炎が上がっていた。
「八神ーっ!
ほら見ろ、こいつ向いてねえんだよっ」
「俺、都会の学校通って、マンション暮らしだったから」
と八神は言って、見た目と違うーっと叫ばれていた。
最初のコメントを投稿しよう!