1164人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
ははは、と笑って見ているのどかを見ていた綾太たちは、ひそひそと話していた。
「面白くないな、一気にラブラブになりやがって」
と言う綾太に、
「……別に面白くないというわけではないですが。
このままというのもどうかと思います」
と中原が言う。
いや、どうかと思いますってなんだ? とのどかが聞いていたら、突っ込んでいるところだろうが。
泰親が確かに、と重々しく頷いた。
「私も困っておるのだ。
のどかは最近は貴弘とばかり寝て、私とは同衾してくれん」
いや、それは貴方が猫じゃなくなったからでは……、
とみんなの目には書いてあったのだが、泰親は特に気にすることもなく、訴え続ける。
「しかも、のどかは夜遅くになって、人目がなくなると、貴弘に強要されるのか、貴弘サンなどと呼んでおるのよ」
のどかが聞いていたら、
「……いや、いけませんか?」
と赤くなって言い返してくるところだろう。
「おおそうだ」
とそこで、泰親は手を打った。
「さっき、風子とのどかがいい話をしておったのよ。
ちょっと貴弘のところに行ってこよう。
貴弘は、ああ見えて、のどかのことに関しては、ちょっと自信がない奴だからな。
ひとつ、からかってやろう」
貴弘ー、と走っていく泰親を見て、八神が、
「あの神主、此処に居る誰より俗っぽくないか?」
と呟いていた。
最初のコメントを投稿しよう!