よしっ、決めましたっ!

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  「のどか、ちょっと目をつむって来てみろ」  八神も火の方に行ってしまったあと、貴弘がすっと何処かに消えたと思ったら、そう言ってきた。 「また花占いですか……?」 と目を閉じて花を()め、と言われたのを思い出し、のどかは言ったのだが。 「違う。  いいから、目をつぶれ。  早く」 と急かされ、言われた通りにする。  貴弘に手を引かれ、ちょっと歩いた。  この感じは、店の庭先の方かな~、と思っていると、 「静かに、しゃがめ。  そして、素早く目を開けろ」 と指示される。  な、なんなのですか……、 と思いながらも、言われた通りに、貴弘に右手を握られたまま、しゃがみ。  そっと目を開けて見ると、草むらに黄色い光が点滅していた。  その淡い光は白いホタルブクロの花の中にあった。  釣鐘型のホタルブクロの花の中にホタルが入っているのだ。  小さなホタルの光は、花の中にあるせいで、更にぼんやりと柔らかな光となって、闇に広がっている。 「……綺麗ですね」  そのまましばらく二人で黙って、ホタルが光るのを見ていた。
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