第一部 生物実験室の彼女

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「……葉っぱと一緒にされましても……」 「だよね。ごめん。私はイヤじゃないんだけど、ヤだよね、まとめられるの、普通」  こういうことを言うから、科学部は変人揃いだという話になるのだろう。しかし、強制もされないのに進んで激しい運動をしたがる運動部の彼女らも、寛子に言わせるなら変人なのだが。  彼女は苦いものを噛み殺すような顔でしばらく考え込んでいたが、 「……ナワバリ争い、か。ふうん……。下手に同情されるよりは、良いです」  そういう理論で、寛子の暴論をゆるしてくれるらしかった。 ***
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