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――疲れた。投げ出したい。全部。
それができる相手は、目の前の元後輩だけだった。
――それを愛というのなら。
言わない。言うわけがない。ただの生存戦略だった。世間とやらの言うことに、うまく騙されたことなんて、一度もなかった。
「せんぱい、」
だめ押しの言葉に、寛子は頷く。
恋は本能などではない。人間の本能と言えるかもしれない、身体実感を伴う症状は、このどうしようもない、ひとりでいるだけで不安になる、さびしさだけだ。そう思いながら。
第二部 「くびながりゅうのみやこへ」 了
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