第三部 そこは愛しきアクアリウム

4/24
前へ
/118ページ
次へ
 ――なるほど。飛沫を飛ばさないように配慮した浅い息なら、凍ることもないのか。  東京が、突然、他人と距離を取り、遠慮がちに息をしなくてはならない都市になったのは、今年の初め。ようやく寒さがマシになり始めた頃合いだった。  そこから季節がひとめぐりし、再びの冬を迎えている。 ***
/118ページ

最初のコメントを投稿しよう!

103人が本棚に入れています
本棚に追加