第1あ 勇者ああああ

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第1あ 勇者ああああ

 ここまで、長い旅路だった。だが……遂に辿り着いた。玉座へと続く最後の扉を、ゆっくりと押す。ギイィィと古めかしい音を立て、扉は今……開かれた! その先には……。 「ふっ……やっとここまで来たか。待っていたぞ、勇者ああああよ」 「俺も会いたかったぜ、魔王ああああ。そして……さよならだ。貴様はこのああああが倒す!」 「ふん。威勢だけはああああ(ゆず)りだな」 「先代勇者ああああの無念、今ここで晴らしてみせる!」  ああああが玉座から腰を上げる。それに呼応して、ああああは剣を構える。二人のああああが対峙(たいじ)する。その間に割って入れるああああは、そうそういないだろう。 「まぁ、待て。最後に一つだけ聞いておこう、ああああよ。我々ああああの仲間にならぬか? さすれば、ああああの半分をお前にやろう」 「笑わせるな。このああああが、ああああの提案に乗るとでも? 貴様が今までに(ほうむ)ったああああの恨み……思い知るがいい!」 「あぁ、交渉決裂か。もはや何を言っても、ああああの耳に念仏だろう。とても残念だ」 「それより、ああああ王国のああああ姫は無事なんだろうな?」 「無論、我を倒すことができたならば、無事に解放されるだろう。万が一、倒すことができたならばなぁ」 「御託(ごたく)はそれで十分か?」  ああああは、お互いにじりじりと()め寄る。そして……攻撃の間合いに入った! 戦闘が開始される。これ以上、ああああからは逃げられない。 「さぁ来い、ああああよ!」 「おらああああぁ!」  あ あ あ あ あ あ あ あ あ 「ああああ! ああああ! 早く起きなさい! 今日はああああ様に呼ばれているんでしょ!」  母親の声で目が覚める。そうだ。今日はその日だった。昨夜は緊張で眠れないかと思ったが、いつの間にかぐっすり眠ってしまったようだ。身支度(みじたく)を整え、階段を駆け下りる。 「じゃあ、母さん……行ってきます」 「あぁ……ああああ……本当に行くんだね……?」 「大丈夫。無事に帰って来るから」 「十分に、気を付けるんだよ。それと……少ないけど」 「お金は別にいいって言ったじゃないか」 「いいから持って行きなさい! 息子は母親の言うことを聞くものでしょ!」 「分かったよ。ありがとう」  そう言って、お金を受け取ったああああは歩き出す。別れとは、長引けば長引くほど辛いものなのだ。故に、ああああはすっぱりと別れることに決めていた。 「たまには連絡を寄越(よこ)すんだよ!」  ああああは振り返らずに、右手を天に上げて(こた)える。 「全く……一体何処(どこ)のああああに似たんだか……」  ああああは、(ふところ)から一枚の写真を取り出す。そこには三人の姿が写っていた。ああああと、ああああと、ああああである。 「ああああ……ううっ……」  思わず、ああああはその場で泣き崩れる。 「あぁ、ああああよ、どうか息子のああああを守って下さい」    あ  ああああは、ああああ宮殿にいた。ああああ王に呼ばれたからだ。つまり、旅立ちの日である。ああああ王国のしきたりに(のっと)って、ああああを送り出すのだ。そして、目の前の椅子に座っている王冠を被った男こそ、現国王のああああである。 「ああああ様の御前(ごぜん)であるぞ! ()が高い!」 「別によい、ああああよ。下がっておれ」  そう言われたので、ああああは後ろに下がった。 「違う違う! お主に言ったのではない! ああああに言ったのだ! いや、お主は下がっておれ! 我は近衛兵(このえへい)のああああに言ったのだ!」  自分に言われたことではないと理解し、ああああは元の位置に戻る。対して、ああああは下がる。全く、ややこしい。 「ああああよ、(おもて)を上げい」 「ああああ様。本日はどのようなご用件で呼ばれたのでしょうか」 「うむ。ああああ王国の伝統に(したが)い、此度(こたび)の勇者を送り出す運びとなった」 「承知しております」 「よろしい。国王ああああの名において命ずる! ああああは、本日より勇者ああああと名乗るがよい!」 「はっ! 必ずや魔王ああああを討ち取り、ああああ姫を救ってみせましょう!」 「よくぞ言った。我が娘ああああを救ってくれ。期待しておるぞ。ふむ……確かに先代勇者ああああの面影(おもかげ)がある。彼のことは、誠に残念であった」 「なにぶん、私が幼少の頃に魔王ああああ討伐(とうばつ)の旅に出たとのことで。あまり記憶にはございませんが、母のああああより聞かされております」 「うむ。思い出に(ひた)るのはこれくらいにして、我から一つ授ける物がある」  ああああ様から直々に授けられる物とは、一体何だろうか。ああああは武器か何かだろうかと思った。しかし、それは違った。出てきた物は、宝石のような丸い球体。透き通った水色をしている。 「これを授けよう」 「これは、一体……? いや、まさか……」 「そうだ。名を――」 「名を……?」 「あああああああと言う」 「やはり」 「その一つ目だ」 「一つ目……」 「そう、一つ目のあああああああだ」  魔王ああああを倒すために必要な七つの宝玉。名を『あああああああ』と言う。それぞれ異なる七種類の宝石から生成されている。「アクアマリン」、「アメジスト」、「アレキサンドライト」、「アゲート」、「アイオライト」、「アンダルサイト」、「アンバー」。その頭文字を取って、『あああああああ』と呼ばれている。  一つ一つに魔力が込められ、七つ集めると聖なる力を手にすることができるらしい。だが、先代勇者ああああの最期の戦いの後、行方知れずとなっていたはずだが……? 「知っての通り、かつての死闘によりあああああああは魔王ああああの手に落ちた。しかし、その内の一つを、先代勇者パーティの一人であるああああが命懸けで持ち帰った。それが、このアクアマリンのあああああああである」 「つまり、残り六つのあああああああを集めるという必要がある、ということですね」 「いかにも。では……今ここに、勇者ああああへ授けよう!」 「有り(がた)頂戴(ちょうだい)いたします」  頭を下げて、あああああああを受け取る。見た目に反して、ずっしりと重い。貴重品として道具袋へと収める。 「では、勇者ああああ! 魔王ああああ討伐の旅へ行って参ります!」 「あぁ、行って参れ! ん……? あぁ! そうそう、忘れておった! ちょいと待て」  (しばら)くして、ああああ王が何者かを引き連れて戻って来る。スラリとした四肢(しし)に、真っ直ぐな姿勢。腰に下げた剣。「あ」の文字をモチーフとしたああああ王国の紋章が刻まれたプレートアーマー。いや、アーマーと呼ぶには簡易である。腹当て、とでも表現しようか。頭には何も被っていない。そして、一際(ひときわ)目を引くのが後ろに結わいた金色の髪。彼女は一体……? 「紹介しよう。ああああ王国騎士団が一員。その名も、ああああだ!」  うん、知ってた。
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