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デート
今日は3回目のデート。
私、加藤亜美と吉川誠也くんは付き合って3ヶ月ちょっと。
誠也くんは1つ上の先輩で高校2年生。
野球部のレギュラーで、私はそのマネージャー。
秋季大会が始まる直前に告白されて付き合う事になった。
野球部は放課後は毎日練習、土日は基本練習試合が組まれてて、誠也くんとなかなかデートする暇なんてないけど、毎日用事がなくても会えるし一緒に帰れるし、それだけで十分だった。
そんな私たちの1回目のデートは雨の日の土日。
グラウンドが使えなくて試合が中止になると、校舎内で走って、ウェイトして素振り。
遅くても昼過ぎには練習が終わってその後デートした。
2回目は秋季大会に負けた次の日。
シーズンが終わり、息抜きにって監督が1日だけ休みをくれた。
そして今日は2学期の期末テストの期間に入って、練習は1週間ほど休み。
学校終わりにデートする事になった。
私がベンチの左に、誠也くんは右に座る。
「はいよっ!」
そう言って誠也くんがコンビニの袋から温かいペットボトルのココアを取り出す。
それをありがとうと言って受け取った。
「あったか〜い!」
私は冷えた手と頬を温めた。
「俺の手もあったかいよ?」
そう言って私の右手を握る。
いつも手を繋いで帰るけど未だに少し緊張する。
もうすぐ12月。
付き合いたての頃は汗臭かったらどうしよう!なんて心配するくらい暑かった。
あの頃が懐かしい。
そんな今は隣に誠也くんがいるだけでも温かく感じる。
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