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ぴちゃり、
ぴちょり。
先程からの彼の音を、
貴女はご存知ありませんか。
しずりの音と言うのです。
窓から一緒に見ましょうか。
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雪に埋もれた里の夜
枝に積もった雪が落ち
水気を孕んだ音がしたなら
芽吹きの春はもう近い
木々が蕾をつける頃
里の戒めは子供等に
夜の出入りを許さない
溶け出した雪のあちこちに
子の足を掬う異形がいるから
それでも窓を開けたなら
花開く時を待つ枝が
傾く月を屏風絵に
水と雪とを垂らす様を
家の中から楽しめる
戒めを正しく守ったならば
自然はこんなにも美しい────
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