夏だから…っていう、言い訳。

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「うあぁ……すげぇ晴天じゃん。梅雨明け宣言、まだだっけ?」  見上げた空は、雨雲ってドコですか状態の、雲ひとつない透き通るようなスカイブルー。  バスケ部全員で行うロードワークのために出てきたグラウンドには、もう真夏と言ってもいい眩しい熱線が降り注いでいる。 「しかも、なんだ、この暑さは。まぁ、空が綺麗だから許すけどなっ」  こんな澄んだ青空を見てしまえば、俺の脳裏には、すぐにアイツの顔が浮かぶ。  この空よりも透き通った純粋無垢な笑みを、いつも俺に向けてくれる可愛いヤツ。 「……智穂」  俺の、大好きな幼なじみ。一番の親友。 そして、切ない片想いの相手。  けど、いつまでも片想いを続けるつもりはないんだ。  この夏の俺の目標。目指せ。脱・片想い!  昨夜、俺はこの夏の計画を立てた。 勉強でも部活でもなく、智穂と過ごす、夏休みの計画だ。 「ふっ……ふふふっ」  あ、ヤベっ。口元がニヤつくのを止められない。  ヤベぇな。智穂を誘う時は、ニヤニヤを抑えとかねぇと怪しまれちまう。  爽やかに、クールに。何でもない風を装って誘うんだぞ、俺!  昨日浮かんだ、ナイスアイデア。『夏の合い言葉』は、しっかりと封印して――。
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