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「ひゃっほう、海だぁ!」
「武田! 馬鹿、いきなり走るな。危ないだろうが」
「えー? 駅を出たら、もう真ん前が海なんだぜ? テンション上がるに決まってんじゃん。ほら、土岐も早く早くっ」
「だからと言って、駅のホームで駆け出すな。他の乗客の迷惑になるだろう。馬鹿たれ」
「う……ご、ごめん。俺、土岐とラブラブバカンス……あ、いや、夏休み旅行とか、めちゃ嬉しすぎて、つい……気をつけます」
「わかれば良い。あと、いちいち訂正する必要はない。ラブラブバカンスで、胸張ってろ」
「えっ、いいの? 堂々とラブラブバカンスで、いいのっ? やべっ。俺、鼻血出そう」
「ふっ、馬鹿だな。鼻血出したら遊泳禁止だぞ。だから、慌てずゆっくり歩け」
「うんっ、わっかりました!」
ふむふむ。土岐と武田は、ひたすら甘える馬鹿ワンコ・武田に、一見素っ気ない土岐がドS顔で甘く笑うパターン、てわけだな。
「郁水? お前、まだ眠いんじゃないか? 現地まで背負っていってやろうか?」
「ん、頼む」
「しっかり掴まってろよ?」
「基矢……おやすみ」
高階、また寝たぞ。おい! 一色におんぶされて、ソッコーで!
ほ、ほぅ。一色と高階は、ひたすら甘やかす一色と、それを当たり前のように受け入れる女王様・高階ってパターンだな。
……ん? はっ! 何やってんだ、俺。コイツらのリサーチしても、何の参考にもならねぇじゃん。
智穂は馬鹿ワンコでも、高飛車な女王様でもねぇんだよ!
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