夏だから…っていう、言い訳。

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 で、肝心の俺と智穂は、といえば――。 「雪夜? 顔色悪いけど寝不足?」 「いや全然。バッチリ8時間睡眠だ」 「そう? 体調悪そうに見えるよ?」  本当は一睡もしてない。楽しみすぎて。  智穂としたいアレコレをメモして妄想してたら朝になってた、なんて言えねぇもんな。つか、既にひとつヤり残したぜ。 【もし智穂が電車で居眠りしたら、俺も寝たフリして、くっついて頬ずりする】  コレ、ヤッてねぇ!  だってさ、智穂のヤツ、俺じゃなくて武田のほうにばっか身体を傾けていってたんだ。悔しいことに。  それを支えるのに必死で、寝る暇なんて一切なかった。くそっ、既にひとつ挫折だ。 「ねぇ、雪夜。ちょっと屈んでくれない?」 「あ? こうか?」  智穂が人差し指をクイクイっと曲げて、俺に屈むようにジェスチャーしてきた。可愛い仕草だな、おい! 「まだ高いよ。もっと屈んで?」  少し屈んで智穂の顔を覗き込めば、首を傾げて『もっと』とねだられた。おねだりも可愛いな、おい! 「これくらいか? えっ?」 「わっ、めちゃめちゃ熱いよ? ねぇ、大丈夫?」 「お、おまっ。何してんだっ」 「んー? 熱測ってるんだよ。雪夜、顔色悪いのにキョロキョロしては変な表情(かお)してるから、絶対に熱あると思って」  馬鹿たれ。お前にドキドキして頬が熱いんだよ。 つか、何、しれっと頬ずりしてきてんだ。お前から!  嗚呼! 俺の【夏恋計画表その①・頬ずり】 不可抗力の逆パターンにて、達成!  甚だ不本意だけど、嬉しいぜっ。
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