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お肉
「ねえ。もう良い?」
「もうちょっとだけー」
私は今、親友にお腹をモミモミと触られている。
「私、自分のお腹気にしてるんだけど」
それでも親友はお腹を触り続ける。
「だって、アンタのお腹の触り心地好きなんだもん」
モミモミとしながら親友は言う。
「私は気にしてるんだけど」
もう一度、抗議してみる。
「アタシは好きなの。アンタのお腹。それじゃダメ?」
上目遣いをしてくる親友。私は彼女のこれに弱い。
「ダメじゃないけど……ダメ」
「アンタのお腹の触り心地に気付いているのはアタシだけなんだから」
親友の言葉に、つい、私は口から本音が漏れた。
「……他の子に触らせるわけないでしょ」
親友はニヤニヤしながら言ってきた。
「それって、ひょっとして愛の告白?」
私は少しドキっとした。
「違う! 他の子はあんたと違って常識があるって意味!」
私のドキドキはまだ止まらなかった。
……ついでに言えば、ようやくドキドキが治まったのは、夜が明ける頃。
私は彼女のお腹を揉めるようになっていた。
お肉『了』
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