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―俺と魔王―
馬車にゆらゆらと揺られながら
サタン城へ向かう俺達。
「………」
「………」
ヤバい……何か話さないと!!
イヴ女王の事を聞く?
いや……今は危険かな。
あぁッ!! 何を話して良いか 分からないよ~!!!!
「……あ、あの―――」
「……どうした?」
「(うっ……!!)」
――かっ…顔が近い!!!!
「良い天気…です…ね」
「くすっ……そうだな」
ヤッ…ヤバい…笑った顔も素敵過ぎ―――って何 考えてんだ 俺!!!!
「可愛い姫よ 我にもっと顔を見せておくれ?」
「……ッッ!? だっ…ダメです////」
これ以上は…勘弁して下さい~!!
それに…こんな恥ずかしい顔 見せられないよ……。
「ふふっ…姫は恥ずかしがりなのだな」
「(ううっ……////)」
すると……馬車がピタリと止まった。
「………?」
「サラ姫よ、少し疲れてはいないか? この辺で少し休憩しよう」
「…はっ…はい」
サタン…俺の事 気遣ってくれているのか?
「(本当は 優し………)」
「…この姿にも少し疲れたな」
「………へ?」
―――今、何て……?
……パァァァッッ―――!!!!
「………!?!?」
魔王が一瞬 眩い光に包まれ……その光の中から “可愛い少女”が現れた!?!?
「おっ、女の……子??」
「失礼なっ!! こう見えてボクは男だぞ!!」
見た目は女の子、中身は男……。
なるほど!! 俺と同じか!!(※違います)
「ふぅ~、やっぱりこの姿が楽チンだなっ☆」
「あの~、アナタは…誰デスカ?」
「ええっ?さっきまで一緒に居たのに もう忘れちゃったの?」
さっきまで一緒に居た?……って事は―――。
「この格好だと分からないのかな?
ボクはサタンだよ。因みにこっちが本来の姿でっす☆」
「…………」
……エェェッッ―――!?!?!?
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