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「サラ姫、こっちにおいでよ」
「えっ……?」
「イイモノ見せてあげるから☆」
“イイモノ”……って何!?!?
「こっちだよ☆」
「あっ…ちょっ―――?」
サタンに腕を引かれ 俺は森の奥へと進んで行った―――。
徒歩数分後………。
「ねぇ、何処まで行くの?あまり馬車から離れない方が……」
「もう着くよ……ホラ見て☆」
「…………!!」
その先にあった“イイモノ”のとは……俺が想像したモノとは 全く違って―――。
……とても美しい湖だった。
「わぁぁ……!! 綺麗……!!」
「……でしょ?森は魔物が多いけれど ここは魔物が出ない 特別な場所なんだ☆」
「そうなんだね――あっ…虹だ!!」
まるで俺達を迎えるかの様に 湖に虹が掛かっていた。
「おおっ!! 何か良い事あるかもねっ☆」
「…………」
こんな無邪気で可愛い子が……。
「キミ…本当に“魔王”なの?」
俺の質問に サタンは「ふふっ」と苦笑いした。
「…はっ!! 私ったら…何て事を!! ごっ、ごめんなさい!!」
「ううん、大丈夫…良く聞かれるんだよねぇ。ボク…やっぱり 魔王らしくないかなぁ?」
「…そっ、それは―――」
サタンは 急に哀しげな表情になった……。
「ボク……本当はね―――」
「………?」
「人間に……なりたかったんだ」
「………!!」
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