第3話

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「サラ姫、こっちにおいでよ」 「えっ……?」 「イイモノ見せてあげるから☆」 “イイモノ”……って何!?!? 「こっちだよ☆」 「あっ…ちょっ―――?」 サタンに腕を引かれ 俺は森の奥へと進んで行った―――。 徒歩数分後………。 「ねぇ、何処まで行くの?あまり馬車から離れない方が……」 「もう着くよ……ホラ見て☆」 「…………!!」 その先にあった“イイモノ”のとは……俺が想像したモノとは 全く違って―――。 ……とても美しい湖だった。 「わぁぁ……!! 綺麗……!!」 「……でしょ?森は魔物が多いけれど ここは魔物が出ない 特別な場所なんだ☆」 「そうなんだね――あっ…虹だ!!」 まるで俺達を迎えるかの様に 湖に虹が掛かっていた。 「おおっ!! 何か良い事あるかもねっ☆」 「…………」 こんな無邪気で可愛い子が……。 「キミ…本当に“魔王”なの?」 俺の質問に サタンは「ふふっ」と苦笑いした。 「…はっ!! 私ったら…何て事を!! ごっ、ごめんなさい!!」 「ううん、大丈夫…良く聞かれるんだよねぇ。ボク…やっぱり 魔王らしくないかなぁ?」 「…そっ、それは―――」 サタンは 急に哀しげな表情になった……。 「ボク……本当はね―――」 「………?」 「人間に……なりたかったんだ」 「………!!」
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