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「ボクの母上はね、人間なんだよ」
「えっ…じゃあ サタンは、人間と魔族のハーフ?」
サタンは「コクッ」と頷いた。
「…母上はずっと前から ボクを魔王の座につかせたかったみたいなんだ」
「………」
「でも…ボクには魔王なんて無理だと断ったら…母上はかなり怒って 部下達にドラゴンを放つ様 命令したんだ」
「えっ……?」
まさか……。
「……この脅迫状も サタンのお母さんが?」
「…………(コクッ)」
俺が“例の手紙”を見せると サタンは無言で頷いた……。
『サタンは魔王になるんだから これ位の事は出来なきゃダメでしょ』
『サタン…そんなに魔王になりたくないなら 早く後継ぎを作りなさい。後継ぎが出来たら 貴方を許してあげる』
「そんな……!!」
「ごめんなさい……関係の無い 貴女達を巻き込んでしまって―――」
サタンの目には涙が溜まっていた……。
「サタン……!!」
俺はサタンをぎゅっ…!! と抱き締めた!!
「…サラ姫?」
「…サタンは 悪くないよ」
「…………」
…こうなったら 作戦変更だ!!
「あのね サタン…」
「なぁに?」
「私……貴方に協力する」
「……協力?」
「貴方の事を お母さんから助ける!!」
「でっ…でも…どうやって?」
「大丈夫…私に任せて!!」
「………?」
こんな事言ってしまったけれど……俺は、魔族の人間に勝てるだろうか?
いや……勝てなくても別に構わない。ただ―――サタンが笑顔になって欲しいだけだから……。
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