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ほんと、人生何があるかわかったもんじゃない。
私の通っていた丸世小学校に5年生の時
千葉から引っ越してきた沢木 龍は、
小学生の頃は、それはそれは貧弱なかよわい男の子だったのだ。
それなのに、背もスラッと伸びて肩幅もあり、男らしくなった。
ストレッチの効いた細みのブラックジーンズに光沢のあるカーキ色のブルゾン、少し派手な感じのするファッションが彼に似合っている。
沢木くんは、
「久しぶりだからお茶でもどう?」と
人懐っこい笑顔で誘ってきた。
そう誘われて私も懐かしい気持ちでのこのことついていった。
そして、
今、目の前で珈琲なんぞを大人みたいに(もう充分に大人)すすっている彼。
何度見ても
あの頃の龍と同一人物とは、とても思えなかった。
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