第7話 自分で上げすぎたハードル

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「ううん。 何にも……あの、うち入ります? そのぅ、ほらっ寒いし」 寒いとか理由をつけないと 誘いづらかった。 「……いいのか?でも遅いから今夜は雪乃の 顔を見られただけで十分だよ」 眞鍋さんの言葉に胸がキュンとなる。 「そんな! あの、でも少しだけ」 せっかく眞鍋さんと会えたのに、すぐ帰るなんてせつな過ぎ。 「わかった。 じゃあ、お言葉に甘えて少しだけ」 なんとなくいい歳して、まだ 恥ずかしがっていた。 さっさと素直になればいいのに、二人して心の奥にお互いを求め合う気持ちを隠していた。 照れ笑いで必死に誤魔化していた。
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