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「ううん。
何にも……あの、うち入ります?
そのぅ、ほらっ寒いし」
寒いとか理由をつけないと
誘いづらかった。
「……いいのか?でも遅いから今夜は雪乃の
顔を見られただけで十分だよ」
眞鍋さんの言葉に胸がキュンとなる。
「そんな!
あの、でも少しだけ」
せっかく眞鍋さんと会えたのに、すぐ帰るなんてせつな過ぎ。
「わかった。
じゃあ、お言葉に甘えて少しだけ」
なんとなくいい歳して、まだ
恥ずかしがっていた。
さっさと素直になればいいのに、二人して心の奥にお互いを求め合う気持ちを隠していた。
照れ笑いで必死に誤魔化していた。
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