第7話 自分で上げすぎたハードル

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眞鍋さんは 小さく息をついて 私を静かに抱きしめてくれた。 「ゴメンな。雪乃。 かなり焦りすぎた」 照れたように頭をかいてみせる眞鍋さん。 「いえっ、そんな事全然ないんですけど あの…ゴメンなさい」 「謝らなくていい。 ただ、抱きしめるだけならok?」 「はい!もちろんです」 眞鍋さんは 不甲斐ない私を 広い心で許し そして ぎゅっと抱きしめてくれた。 すごく……幸せだ。 優しく素敵な眞鍋さんと またこうして 一緒にいられるだけで。 これから いくらでも時間がある。 眞鍋さんとの営みは、すべて万全な状態で 挑みたい。 そうしなければ、私の気が済まない。 一生きっと後悔してしまう。 眞鍋さんが少しでも満足できるような 体作りをして 素敵な眞鍋さんを絶対に喜ばせたい。 それには ランジェリーや体だけじゃなくて 行為の最中もマグロじゃだめだ。 それなりにどうにかして そっち方面の腕も多少は磨きたい。 どうすればいいかわからないが、 とりあえず今日は保留が正しい。 こうして私は ロマンチックな夜を迎えておきながら、 苦渋の決断を下したのだった。
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