第16話 必要な本能と理性

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「困ってるんだ」 眉毛を下げて 本当に困った風の 沢木君。 私から手を離すと ブランコに座って すこし こぎ出した。 「誰かさんの事が 寝てもさめても 心配で 考えたくなくても 浮かんでくるから もうすぐ ランジェリーコレクションへ 向けての デザインを あげる締め切りなんだけど どんづまり!」 大きくブランコを こいで 沢木君は 夜空を見上げたままだった。 「誰かさんって……」 私を優しく見つめる沢木くん。 その瞳にドキッとなる。
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