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「困ってるんだ」
眉毛を下げて
本当に困った風の
沢木君。
私から手を離すと
ブランコに座って
すこし
こぎ出した。
「誰かさんの事が
寝てもさめても
心配で
考えたくなくても
浮かんでくるから
もうすぐ
ランジェリーコレクションへ
向けての
デザインを
あげる締め切りなんだけど
どんづまり!」
大きくブランコを
こいで
沢木君は
夜空を見上げたままだった。
「誰かさんって……」
私を優しく見つめる沢木くん。
その瞳にドキッとなる。
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