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アングルを変えて続けられる口づけは、
飽きることなく繰り返された。
(眞鍋…さんっ……好きです……)
どうしよう。こんなこと、人前で。
恥ずかしいのに、やめられない。
やめてほしくない。
「雪乃、お前が必要だ」
唇を離した時に眞鍋さんが囁いた。
再び唇を合わせる。もう離れたくない。
眞鍋さんが好き。
体が熱くなる。
憧れの眞鍋さんとこんなふうになれるなんてつい最近まで思わなかった。
唇を幾度も重ねる。
眞鍋さんの高い鼻が私の頬に触れる。
眞鍋さん、好き。
好き。
好き。
好きの気持ちをキスにこめる。
眞鍋さんのジャケットの腕のあたりを掴む。
多くの人々は私達二人を気にする事もなく私達の周りを通り過ぎてゆく。
長いキスの後、ギュッと抱きしめられていた。
「雪乃、来てくれてありがとう」
空港の大きな窓ガラスの外には眞鍋さんの肩越しに飛び立つ飛行機が見えていた。
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