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第15話 逆転につぐ逆転
沢木君は
アルコールを飲まなかった。
「何で飲まないの?」
そう聞きながら
私の方は
がばがばと
ビールを
飲んでいた。
「飲んだら
送れないだろ?
雪乃のこと」
さりげなく
いつもさりげなく優しい沢木くんを
みつめた。
湯気の向こうの沢木君は
やっぱり
イケメンだ。
酔っていることも
手伝って
イケメンの同級生を
からかいたくなった。
「やっぱ、ビールだわ。
お鍋にはビール!」
「おっさんくせーな」
「いいじゃん。
おっさんでも
そんなおっさんみたいな私を
好きなんじゃないのーーー?」
少しだけ
からかい半分で言ってみた。
沢木君の箸を持つ手が止まった。
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