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こんな妄想をした
こんな妄想をした。
素子が言った。
「あなたの見ている赤色と、私の見ている赤色が、どうして同じだと言い切れて？」
うっかり夕日を綺麗だねと言わなければよかった。
素子は哲学科だから（なんでそんなのに入ったんだ？）、すぐにややこしい話に持って行きたがる。
「それがなんでダメなの？」
「もしもあなたにとってのうんこみたいな色が、私にとっての綺麗な赤だったら、それでも好きでいてくれる？」
「もち」と僕は一瞬つまった。「ろん」
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