第1話 まさみ

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「申し訳ないです、急で」 「いえ、予定もありませんでしたので」 「えっと……恋人とか……」 思いっきり愚問。 恋人がいたら0は使用出来ない。 つまり、絶対にフリーだ。 【愚問やね】 彼の代わりに答えたのは…… 私達の重なって一体となったAI。 「そ、そうですね。すみません。えっと……今日はお互いの条件がピッタリと合ったって事ですよね」 【そうやで】 また、彼の代わりに0が答えた。 「ちょっと待って! 何で関西弁!? 」 一言目で気付いた、特徴的な訛りにスルー出来ずに聞いた。 【初期設定が、そうなってる】 「ほんと? さっきまで違うかったじゃない」 【CHEMISTRY】 素晴らしい発音で0は言った。 「まぁ、僕は口下手なので……和んでいいかもしれませんね」 そうかも……しれないな、そう思った瞬間。 【なぁなぁ、コイツが一番に出した条件“イケメン”やで】 撤回! ガタッ! 思わず立ち上がった。 「ちょ、ちょっと! それ! 」 【因みに、兄ちゃんの方は“誰でも良い”】 ガタッ! 今度は彼が立ち上がった。 【つまり、ベストマッチングや】 私も…… 彼も…… 顔を上げられずに固まった。
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