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彼の情報は全てゼロが握っている。
だけど……
それを見たとしたら、見たことを彼に知られてしまう。
そんなに必死だと思われるのも
凄い興味持ってると思われるのも……
とにかく、ちっぽけなプライドと戦っていた。
釣書レベルの情報は既に頂いている。
私が知りたいのは、もっと下世話な
女性経歴とか……その、趣味とか。
でも、そんなの……
私のも知られたら困る。凄い個人情報だ。
そもそもどうやって守ってるのだろう。
莫大な個人の情報など。
「ねぇ」
【どうぞ】
「個人情報はどうなってるの? 」
【基本的に所持していません】
「え? 」
【あなたと同じ仕組みです】
「……」
【簡易に変換します。“すぐ、忘れる”】
「嘘でしょ」
【そもそも、漏洩するということはAIを使って情報を取ろうとする。AI同士は元々情報を共有します。つまり、向こうのAIの情報もこちらに来る】
「ああ、なるほど」
【あなたの情報が欲しいということは……あなたに興味もしくは、価値があるとの判断。まず、大丈夫です】
「割ってあげましょうか? 」
【ただし、不正アクセスには対策があります】
「もう、それ先に言いなさいよ」
【電源を抜く。ブィッシューン】
「え!? ちょっと! そんな原始的な! 」
……。
「いや、あんた、コードレスじゃない!!!
」
……彼の情報を見たいけれど……彼に情報が行くのはまずい……。
もう少し、ちっぽけなプライドと戦うとしよう。
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