1262人が本棚に入れています
本棚に追加
/220ページ
つまり……
田中さんと品川さんは……
「え、じゃあ、さっき品川さんが来たのは？」
「さぁ、たまたま通りがかったんじゃない」
涼しい顔で田中さんがそう言った。
……嘘……
ではないよね。
【実雅に嘘はつけません】
察したのか0がそう言う。
「ところで、さっきから……品川さんが僕たちのマッチングに何の関係があるんだ？」
……。
何の関係があるんだろう。そう言えば。
そうだ、ゼロも言ってた。
──【実雅にそう言われましたか？】
言われてない。田中さんには……
何も、言われていない。
「田中さん、品川さんの事を好きなわけでは……」
そう聞いた私の言葉は、今日一番、
田中さんを驚愕させたらしい。
少し開いた彼の口が閉ざされ
もう一度開き……
出てきたのは大きな、大きなため息。
「理解が出来ない。これも、俺のせい？」
そう言う彼は……
もう一度ため息をついて……
「そうなんだろうね」
小さくそう言った。
最初のコメントを投稿しよう！