第20話 まさみ

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「……“少なからず”僕の事は、まだ好きなの?」 彼の言葉にドキンと心臓が大きく跳ねる。 ……そ、それはそうだろう。 だからこそ……こ、こうやって…… 俯く私の返事を、至近距離で首を傾げて待つ。 ……察しろ。 とか、この人に無理か。 顔を上げずにいると、もう少し首を傾げて覗き込まれる。 ひー…… 少し顔を上げると、小さく頷いた。 ふっと、顔を緩ませて 「そっか、良かった」 彼は、繋いだ私の手にそっとキスすると 「会わずに悩むくらいなら、会って悩む方が……ずっといいね」 そう言って、その手を引き寄せる。 少し近づいた私の体を今度は右手でぐいっと引き寄せる。 「会いたかった」 軽いキス。 ほんの少し体を離すと、目の前に艶っぽい瞳。 もう一度唇重なるその時に 「……私も」 そう伝える事が出来た。
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