第2話 まさみ

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3回目のデート 「今日は提案があります」 「ええ、何でしょうか」 「0(それ)止めときません? 」 私がそう言うと、彼は明らかに目を泳がせた。 【そういうのは、いじめ問題に繋がると思う】 「いいですよね? 」 【あかーん! 寂しいやんけぇ】 「あんた達、二つくっついてるでしょ? さみしくない。止めてても、話せないだけで、聞けるでしょ? 」 言うや否や、パシッとタップした。 「さて、二人っきりですね。今日は色々とお話を……二人で」 そう言ってにっこりと笑った。 彼が少し、困ったように目を逸らしたのを見て ザマーみろと、思った。 「私から、いいですか? 」 「ええ」 「誰でもいいって何? 服着てたらいいって何? 面倒臭いって何? 早々に済ませたいって何? 私と話す事なんて、ないんでしょうけど。酷くないですか? 」 「矢次に質問されるのは、あまり利口だとは言えませんね」 「だから、条件、“私より頭の良い人”って言ってあるの。今回、それか組み込まれたかは知りませんけど」 「組み込まれているでしょうね」 つまり、自分よりはバカだと言いたいのか。 「おいくつですか? 」 「まだ、先程の質問にお答えしてませんが。もう次の質問ですか? 」 彼は呆れた様にため息を、ついた。 いちいち、カッチーン。だな。 「人には各々、得て不得手があります。あなたの場合、それが著しく出たのがきっと、コミュニケーションだったんですね」 私がそう言うと 黙った。 結局、一つも質問に答える事もなく黙った。 「よく、分かりました」 もう、いい。 私が立ち上がると彼がようやく口を開いた。 「待って、頂けませんか? もう少し」 「嫌だ。面倒臭いもん」 今度は、彼がカチンとした顔。 「中田さん、あなた……500人以上リサーチしてますよね? でも、誰もいなかった。マッチングする人は。……つまり、僕の顔は500人に1人の逸材だと言っても過言ではない。あなたに取って。そうですよね? 」 そう言うと、ギリギリまで最大の武器である顔を近づける。 「そういう解釈で……構いませんか? 」 今度は、彼が笑った。にっこりと。 ── この日も“N0”は出さなかった。お互い。 私は彼の黙らされたのだ。
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