第21話 まさみ

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──── 【今日の待ち合わせはここです】 そう言って壁に店のmapを映し出す。 【今年30歳……ああ、要らぬ情報でしたね、あなたには。実雅に負けず劣らずの“イケメン”です。以上!】 ……何か嫌みなやつだぜ。 年上か。何となく少し背伸びしたような服装を選んでしまう。 【実雅に『行って来まーす! 』のメッセージでも、送りますか?】 「送らない!!」 何だ、その浮かれたような言い方は。 店に入ると、その人はまだ到着していなかった。 待ち合わせを5分ほど過ぎたあたりで 「申し訳ない、仕事が長引いて」 そう言って、一人の男性が私の前の席に着いた。 「いえ、お疲れ様です」 作り笑いをして、そう言った。 「実物の方が、ずっといいね」 彼はそう言って自然に微笑む。 ……多分、耳まで赤い。 一気に顔が熱くなった。 彼もまた……“イケメン”だったから。 しかも、彼はそれを生かした“イケメン”だ 「まずは、少し……飲もうか。アルコールは?」 「大丈夫です」 「ああ、ここはね、美味しいのが……あ、ワイン行ける?」 「大丈夫です」 注文を終えると、彼は私に体を向けた。
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