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【だからー、お前は何で直ぐに黙るねん。今日は久しぶりのデートやで、暗いわー、暗いやっちゃわー】
「今日こそは、“NO”かもしれない『まずいな』ってお前も言っていただろう」
【あのなぁ、今までだって“NO”出された事はあるやろ? それを切り抜けてここまで来たんやん。何やねん、今更】
「顔だけ……だ。僕は」
【だからこそ、マッチング出来たんやろ。顔はめちゃめちゃ大事や、第一印象で。その点お前は120点くらい叩き出せてる!】
「他にもいたら? その120点の男性が。彼女はそっちに行くのか?」
【あー……えっとー……】
SS0でさえ歯切れが悪くなる案件。
圧倒的に不利だろう。誰かと比べられでもしたら。
【雅実は、探したみたいやしな。お前とマッチングした時の条件のままで】
「ああ……そうだったな。それで?」
【……一人ヒットしてる。会うつもりなら、お前に報告があるはずや】
「今日は、その報告かもしれないな……」
雅実から会いたいだなんて。
いや、報告ですらなくて
“NO”かもしれない。
顔以外で、彼女が僕を気に入ってくれてるところなんて……きっと、ない。
会いたい。
なのに、会うことが憂鬱だ、なんて……なんという矛盾なのだろうか。
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