第3話 まさみ

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「田中さん、結婚したいんですか? 」 「だから、ここにいるのですが」 愚問だとでも言いたそうに、目を細めて彼はそう言った。 「私と、です」 「そういう場だと認識していますが」 「相手と結婚したいかどうか、確かめる場ですよね? こうやって、お互いを知って」 「いいえ」 いいえ? 「どういう事ですか? 」 そう聞いた私に、彼はそれすらも愚問だとでも言いたいような視線をよこした。 「僕は、既に、あなたと結婚したい。ということです」 「はぁ? 」 目を瞑って状況を理解しようと試みた。 結婚したい、のは、0を所持している限りそうなのだろう。だけど、彼は“私と”結婚したいと……そう言った。 ……何が、目的だ。この男。 それより、全くそうは思えなかった。 「2つ、いいですか?」 「どうぞ」 引き続き、うんざりした彼の視線に負けず、2つ質問を投げ掛けた。
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