第3話 まさみ

4/7
前へ
/220ページ
次へ
「1つ目。まだ、お若い。なのに、なぜ婚活を? 自由恋愛でもいいと思います。2つ目。なぜ私と結婚したいのか。この段階で」 「1つだけ、お答えします」 2つ質問したのに、彼はそう言った。 「あなたと、出会ったからです」 ……限界だ。 「0、起きて。起きないと帰る」 【なんやねーん、今ちょうど、レムからノンレム入ったとこで、ふっわぁと気持ち良くなったとこやったのに】 「聞いてたわよね。補足」 【いや、寝て……】 「補足」 【兄ちゃーん、頼むわ】 「僕に、ここで愛を語れと? 」 愛? 好きだって事? 私を? 「語って頂けます? 納得出来るように。誰でもいいって言われた私が」 「誰でも良かった。あなたに出会って、あなたがいいと思った。結婚は……いつでもいい。あなたと出来るなら」 何…… 何かがおかしい。 「納得できません」 彼は、今日一番、心底面倒臭そうにため息をつくと、きゅっと口角を上げ 「あなたも、その気でしょう? 」 にっこりと笑って言った。 「いいえ」 にっこりと笑って私もそう返した。 彼はその笑顔を崩さないまま 「僕からも質問いいですか? 」 「ええ、どうぞ」 「中田さんは、いつまでに成婚を目標とされていますか? 」 「成婚というか、20代で一人は子供を産んでおきたいと思っています」 まあ、漠然とそう思っているだけだけれど。 「分かりました」 彼は満足そうに頷いた。
/220ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1260人が本棚に入れています
本棚に追加